モジュール生産方式の構築 その4| 類似を集め変化を後ろに

モジュール生産方式の構築やマス・カスタマイゼーションの考え方について、専門的且つ分かりやすい解説を提供するコラム。全16回でお届けします。

1.類似性:類似を集め変化は後
1-3 類似を集め変化を後ろに

(1) ネットワーク生産システム

製品・部品の標準化ができると、製造段階ではまとめて作らなければ、その効果は半減する。つまり、標準化により量を増やし、同期化連鎖の生産システムを構築することである。

同期化連鎖の生産システムの極致は、図表6に示すネットワーク生産ラインであり、生産量の多い製品・部品より適用する。

図表6

ネットワーク生産ラインには自動車に代表される組立系の集約型と、1つ素材から多種の製品に分かれる素材系の分散型がある。

上図の集約型では製品を構成する部品がそれぞれ同一タクトで加工されて溶接され、塗装、組立に供給されて完成すればよい。

上図の分散型では1分タクトで生産された材料が、次第に、成形、加工にタクトを合わせながら分散し、最後は組立に12分タクトで供給されればよい。

しかし、これでは部品や製品の数に相当するライン数が必要になるので、集約型では(2)の「類似を集める」、分散型では(3)の「変化を後」の対策によってライン数を絞り込む。

(2) 類似はGTラインとして集約

集約型の生産形態では、類似な工程を集めたGT(グループテクノロジー)ラインとして集約する。

図表7は集約型の部品加工に対して工程の類似性分析を行ったものである。ここではA~Gまで7部品の工程を分析するとAB,CD,EFGの3パターンに分かれるので、3本の部品加工ラインを敷けばよい。より少ないライン数で生産したければ標準化改善によって部品種類を減らすか、類似工程を通る部品を設計することである。

図表7

(3) 変化は後工程で実現

分散型の生産形態では変化はできるだけ後工程に持って行くことである。

図表8はマス・カスタマイゼ―ションによってビジネス・プロセスを再構築したイタリアのベネトン社のセーターの生産形態である。

図表8

変更前は見込み生産で製品在庫を持つ生産形態を採用。流行に左右されやすい色の決定が生産プロセスの上流で行われていたため、迅速な顧客対応と在庫管理に問題があった。

そこで、染色と編立の工程を入れ替えて中間在庫を持ち、製品は流行色が決まった段階で染色する生産形態に変更した。この結果、短いリードタイムでの顧客対応に成功すると共にコストダウンを実現した話は有名である。

今日の多種少量生産では、1ラインで複数品種を混流生産するやり方が一般的であるが、品種によって各工程の作業内容や時間値が変わる混流生産では、ライン編成が難しく編成効率の低下を招く。

そこで、品種によって変化しない工程を前に、異なる工程を最後の工程に持っていくと、図表9左に示すT字型の同期生産ラインになる。

しかし、現実にはこれほど上手に最終工程で分けられず、図表9右に示すネットワーク型になるが、分ける工程をできるだけ後に持っていくと、前工程はマスプロダクションになる。

モジュラー化による製造段階のメリットはまとめて作らなければ出ない。「類似を集め、変化を後」は、生産モジュール化の基本コンセプトである。

図表9

(4) 流通段階の4つのカスタム化

規模の経済性は魅力があり、できるだけ分割ポイントを工場に持ち込みたくない。そこで、J・パインが下記に提唱する「変化を流通段階に持っていくカスタム化」も一策である。

1.標準化された製品やサービスにカスタム化したサービスを付加する。例:ディーラーオプション、販売時点で名入れ
2.カスタム化可能な製品またはサービスを作る。
例:自動販売機、自動券売機
3.配送または販売でのカスタム化を推進する。
例:屋台ラーメン、
4.価値連鎖の全体にわたって迅速な対応を実現する。例:宅配便

<執筆者>
MEマネジメントサービス 橋本 賢一


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