モジュール生産方式の構築 その7|見込み生産から受注生産ラインへ

モジュール生産方式の構築やマス・カスタマイゼーションの考え方について、専門的且つ分かりやすい解説を提供するコラム。全16回でお届けします。

2.迅速性:生産方式の質量を選択
2-3 見込み生産から受注生産ラインへ

(1)リードタイムはどれくらいになったか

図表14

図表14では、より実践的なオフィス家具メーカー・W社のマス・カスタム生産構築事例を紹介しよう。

W社では、現状の生産期間は35~50日かかっていたため、見込生産により製品在庫を持って対応していた。
しかし、製品種類が多いため全種類の在庫を保有することもできず、しばしば欠品を起こしていた。

もともと、オフィス家具という製品特性から即納はなく、納入リードタイムは1週間~10日であったが、生産期間が1週間に短縮できれば、見込み生産から受注生産へ切り替えることができ、製品在庫はなくなる。

そこで、現状の機能別生産から同期ライン生産に切り替えることで、1週間生産が可能になり、材料・部品在庫から出発するマス・カスタム生産ラインが実現した。なお、負荷と能力の調整在庫として、中間財を保有している。

(2)機能別生産からライン生産方式へ

図表15は、全工場の1部の板金ラインの改善前と改善後のレイアウトの比較である。

改善前はタレパン、ベンダー、プレス、溶接の機能別生産方式を採用し、それぞれの設備で仕掛在庫を持つロット生産をしていた。

改善後は4本の同期生産方式になったため、各工程の仕掛在庫が減少して、3/4のスペースに収まるようになった。(工程数、小ロット製品を生産するため、機能別生産が1部残る)

(3)材料在庫から出発

 
図表15の改善後の板金ラインは、4本の同期生産ラインが最後の溶接セルで一体になる集約型のラインである。

4本ライン以外にも工程数が少なく、生産量の少ない部品用に機能別生産の設備があるが、基本的には、すべての製品は4本のラインで生産する。

1製品は類似性分析により集約された4本のラインの中のいずれかのラインで流れるが、1ラインで流れる製品の工程と時間値は類似であるだけで、どれも異なる。

図表15

(4)混流生産システムの構築

混流生産は、1つの生産ラインに、いくつもの品種が「ロット」または「1個流し」で流れる。

混流生産を行うには、製品や部品の標準化、製品構造および工程の類似性、設備稼働率、ラインバランス、品種切り替え時間などを検討する必要がある。

図表16

図表16は図表15の改善後のAラインを拡大したものである。
1製品は図表16に示した工程パターンのいずれかを通って流れるが、逆流することはない。

たとえば

  • 図上の製品はもっとも生産量の多いパターンで、前3工程(60T-RG100-RG80)を通ってSPOT溶接ラインに流れる。
  • その下は前3工程(80T-80T-RG80)を通ってSPOT溶接ラインに流れる。
  • 図下の製品は生産量は少ないが、前5工程(60T-80T-RG100-80T-RG80)を通ってSPOT溶接ラインに流れるパターンである。
  • 以上のように、製品によって異なる工程設備を縫うように同期で流れる。段取替え時に使用設備に流れるようキャスター付搬送コンベヤを移動してレイアウトする。

    以上のようなネットワークラインを構築することによって、新製品開発時は設計段階からどのラインで流すかを意識するようになり「生産モジュール」から「設計モジュール化」が促進されたのである。

    <執筆者>
    MEマネジメントサービス 橋本 賢一


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