技術・技能伝承の10ステップ

技術・技能伝承に永らく悩んでいる企業が多いのではないでしょうか。

団塊世代が定年を迎え熟練者が半減していくなか
技術・技能伝承についての対応がかねてから叫ばれています。

加えて近年の生産拠点のグローバル化を受け、
海外拠点への技術・技能伝承の重要度も増しています。

日本能率協会が毎年実施している「経営課題の実態調査」にも
近年「技術・匠の技の継承」を重要課題に挙げている企業が
目立ってきています。

ところが実際は、下記のような問題が散見されているのではないでしょうか。
●技術・技能伝承の必要性を現場が理解していない
●標準作業書は整備しているが、伝承に使用されていない
●個人任せなOJTが伝承の場となっている
●業務過多により伝承の時間がない
●技術・技能に関しての情報共有がなされていない
等々

問題が散見されている理由の一つに、どのように技術・技能伝承を
進めていけばよいか分からないのではないでしょうか。

ここで技術・技能伝承の進め方に関して、ヒントとなりそうな情報を
中村茂弘氏の書籍よりご紹介いたします。

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何事もそうであるが、身につく技術や技能とは、自ら学んだ内容であって教育者が与えたものだけではないはずである。

特に、技術伝承の場にあっては、習う側の努力と教える側の意気(息)がピタリと合った時に、早期、かつ、的確な伝承がなされることが判っている。

これについて、分野は異なるが、筆者達の剣道の師、故・佐久間三郎・範士八段に「碎啄(そったつ)の機」と教えていただいたことがあった。

この内容は「弟子が努力し、ちょうど、鳥が卵の殻を破って出る時、親鳥が殻を外からつついてやる。この姿が弟子の育成には最も良い。」という意味だそうである。

要は、本人の努力があって、教える側の助けが効く。殻から出たくないヒナに対して無理をして殻を割って出すと死に至ることもあるし、逆に、殻が破れないで苦労しているヒナを眺めているだけだと、疲れて殻を破ることを止めた結果、死に至ることもある、ということを示した内容である。
また、反面、教育の難しさも示唆する内容である。

そこで、いくつかある習得術のなかから、本日は「スピード・メモ習得法」のSTEPをご紹介しよう。

setp 1
現場・現物で「やって見せ」方式で、教育しながら、習う側にメモを取らせる。

setp 2
初心者はメモを整理 → 清書する。
これをベテラン(指導者)に見てもらい、修正・確認。

setp 3
清書(修正済み)マニュアルを初心者が見ながら、その前で、ベテランが再度教える内容を実施する。

setp 4
新たな要素、仕事のコツなど質問事項を入れ、再度、習ったことを清書する。

setp 5
今度はベテランがマニュアルを読みつつ新人に仕事を遂行してもらう。

setp 6
setp 1~5を繰り返す

setp 7
特に重要な点をまとめてワンペーパー標準所にする
⇔異常処理、特殊処理は別の標準書にする

setp 8
JIT標準(視野の中に入れ3点程を常にチェックしながら仕事を進める)

setp 9
変更がある場合⇒setp 7に戻る

setp 10
維持・定着

「技術・技能伝承術」中村茂弘著より抜粋・一部編集

いかがでしたか?

この方法は、技術・技能伝承を講義する中村茂弘講師が、実際に現場関係者に指導する際に関係者と苦労の末に考案されたものをご紹介しました。


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