コマツ代表取締役会長 野路 國夫様インタビューその2|生産分野で日本がリーダーシップを発揮するために必要なこととは?

コマツ代表取締役会長 野路 國夫様を訪問しました。
日本能率協会の中村正己がインタビューします。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)

生産分野で日本がリーダーシップを発揮するために必要なこととは?

(中村)
日本がものづくりで負けないために必要な事とは何でしょうか。

(野路会長)
ものづくりの生産領域においては日本とドイツが今しっかりと世界をリードしていると思います。
生産を中心としたところは日本がトップとしてリーダーシップを発揮していくということを、日本の経営者は考えた方がいいと思います。

ドイツのインダストリー4.0やIoT、MtoMなど、色々な言葉が氾濫し、まだその内容については良く理解されていません。
みんながそれぞれの立場でそれぞれ話をするという状況になっているからだと思います。
それをきちんと理解し、日本は生産技術の分野では世界をリードしているので、何とか日本発の世界で一番のものを作り上げなければ、というわけです。
そこが1つのポイントだと思います。

インダストリー4.0を考えるとき、工作機械やロボットなど、製造業の製造装置に携わっている企業から見た立場と、我々みたいに溶接ロボットを使ったり、工作機械を使うようなユーザーとしてどうやって生産技術革新をやるかという立場と、2通りあるのではないかと思います。

前者の場合、自らの破壊的イノベーションによって技術革新はなかなかできません。
なぜなら、そういった企業は儲かっており、変化を嫌うからです。新たなフィールドを作るのなら別ですが。

一方、当社のように工作機械を使って生産するユーザー側というのは、今のICTの技術の進歩によって、将来どういう生産技術革新をするのか、という視点で物事をみています。
そちらから見ると答えは簡単で、誰でもインターネットで工作機械を扱ったり、ロボットの操作ができたりする世界が近づいているように感じます。

(中村)
確かにそうですね。

(野路会長)
ですので、ユーザーから見た視点をいかに持てるかが重要です。

生産性が倍になるにはどうしたらいいか。3倍になるにはどうしたらいいか。あるいは誰でも使えるようにするにはどうしたらいいかと。

従業員2、3人で工作機械やロボットを持っている中小企業でも、若い人が入社して、インターネットで物が動くという世界になるにはどうしたらいいか。
そのような視点を持ってICTの進歩を捉える必要があります。

(中村)
なるほど。

(野路会長)
当社はスマートコンストラクションというソリューションビジネスを今年1月に発表しました。
それはいまお話したユーザー視点に立つものづくりと同じものです。

簡単に説明しますと、工事の施工シミュレーションプログラムを弊社が供給して、ブルドーザーに組み込まれたシステムの中にドローンなどで取得した3次元の地形データをインプットします。そうすると、ブルドーザーが自動的に工事施工をしてくれるというものです。

より先の段階では、ブルドーザーが地面を削りながら地形がどう変化したかというのを計測して、自律的に動くようになると思います。そうすると、もう最終的には無人化も夢ではありません。

それによって、例えば柔らかい材料だったら、速いスピードで作業をするなどの判断もできるようになるような世界が来るのだと思っています。

(中村)
全部自動的に判断していくのですか?

(野路会長)
様々なパラメータを計測して、施工条件を自律的に変えていく世界になるのだと思います。
弊社も様々な研究開発を進めています。

今言ったような、建機自体が加工条件を導き作業をする世界になるのは、ユーザーから見たらもう間違いない世界です。
ただ、それがどういうタイムスケジュールで実現していくのかというところが、非常に難しいわけです。

(聞き手:一般社団法人日本能率協会 理事長 中村 正己)

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緊急特別報告会
提言 ドイツ「Industrie4.0 」の実際と危機感

2015生産革新ドイツ視察団による、現地現物
実際の足を運んだ活動によって今、明かされる真実

日本能率協会では2015年7月5日(日)~11日(土)にかけて
「2015生産革新ドイツ視察団(団長:コマツ 代表取締役会長 野路國夫氏)
を派遣いたしました。

本報告会では、視察団で実際に体感した、現地現物の情報をもとに、
今まさにドイツで何が起きているかを報告する場をご用意しました。

さらに日本でもIoTの取組みを進めている企業の具体的事例も併せて皆様に紹介し、
日本における、これからのものづくりの方向性を示す機会とします。

【提言 ドイツ「Industrie4.0」の実際と危機感】
http://jma-column.com/industrie4-0/

■概要

名称:緊急特別報告会         
提言 ドイツ「Industrie4.0」の実際と危機感

会期:2015年9月29日(火) 13:00~17:30(予定)

会場:三田NNビルB1F三田NNホール(東京・港区)

料金:日本能率協会会員20,000円(税抜)
   会員外22,000円(税抜)

■このようなかたへ
  • IoTに関わる取組みに携わっている方
  • Industrie4.0とは何かを知りたい方
  • 国内外でのIoT取組み事例を聞きたい方
  • ドイツものづくりの現地現物の情報を聞きたい方

詳細はこちら▼
http://jma-column.com/industrie4-0/

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