工作機械関連技術者会議 企画委員長 インタビューその2

2021工作機械関連技術者会議 企画委員長の慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科 教授の青山 英樹様に工作機械業界の動向、今回の本会議の聴き所をお伺いしました。日本能率協会の勝田・高士がインタビューいたします(以下 敬称略、役職当時)

慶應義塾大学 青山教授 インタビューその2 /工作機械業界の課題と10年先の展望は? 

(高士)
現在の工作機械業界が抱える課題と10年先を見据えた展望について、先生のお考えをお聞かせください。

(青山)
グローバル市場においては、輸出が制限される状況下で、厳しい競争を強いられていくことは、これからも続くでしょう。この状況は、経済産業省の努力で、なんとか改善してほしいと思います。

(勝田)
ハンデがある中でも国際的に勝ち残っていくためには、精度や加工技術の高さ、ハード面の強みは今後さらに磨いていかなくてはならないポイントとなりますか?

(青山)
そうですね。日本の工作機械メーカーの強みは、高速・高精度加工を実現する性能に加えて、その製品の寿命が長いことにあると思います。20年後でもその性能を維持したまま使えると言われ、中古市場でも高い評価を得ています。

(高士)
国際競争力を維持するには何が必要でしょうか?

(青山)
数多くある中堅企業を統合すれば強いのではという見方もありますが、数ある中での技術競争が良い面もあります。将来的には、海外製の工作機械の品質性能もあがってくるので、日本も更に品質性能を高め続ける必要があります。性能面で他国に負けないものを作ることはやり続ける必要がありますが、これからは使いやすい機械にも目を向ける必要があるでしょう。

(高士)
使いやすさとは、熟練の技能者でなくとも使えるということでしょうか。

(青山)
半導体製造装置において、以前は世界の8割が日本製でした。今では、そのシェアが逆転しています。シェアが変わってきた要因の一つは,使いやすさの違いがあったと思います。お客様が何を求めているのかを正確に見定めることが重要であると思います。

全てのお客様が最高レベルの性能を求めているかというと、そうではないこともあるのではないでしょうか。ある一定のお客様は、性能・品質はほどほどで良い、使いやすさや価格の安さを求めていることもあるのではないでしょうか。高品質・高性能な加工を実現する機械の開発は将来的にも継続する必要がありますが、お客様のニーズを決して見誤らないようにしなければなりません。

(勝田)
パンデミックにより、ものをつくる場所や人を変える必要性が出てきたこともひとつの要因でしょうか?

(青山)
これからは、お客様において、加工のプロはだんだんと少なくなることが考えられます。このことは、加工のプロではない人でも高度な加工をできる機械が求められることを意味します。そのためには機械の知能化、AIの導入が必須です。10年先というより今始めなければならない課題です。

(勝田)
市場の変化が起きてくる可能性がありますね。

(青山)
市場のニーズを正確に捉え,シーズも含めて、それらにマッチした工作機械を提供することが重要と思います.

7/13~14開催 工作機械関連技術者会議 概要・お申込みはこちら

ものづくり特別レポートの無料ダウンロードはこちら