モジュール生産方式の構築 その10|変種・変量の弁当ラインの設計

モジュール生産方式の構築やマス・カスタマイゼーションの考え方について、専門的且つ分かりやすい解説を提供するコラム。全16回でお届けします。

3.同期ライン・セルの設計
3-3 変種・変量の弁当ラインの設計

以上述べてきたやり方が「類似を集め変化を後」のマス・カスタム生産ラインの設計である。

図表20に15種類の弁当(製品)と45種類の具(部品)の構成を示した。
類似分析を実施して効率のよい弁当ラインと製品仕様から設計モジュール化を検討してみよう。

図表20

図表21

Step1:類似性分析

製品と部品を図表20から21のように並び替えると、類似性を分析することができる。

製品は左より部品点数の少ない順に並べる。部品点数の少ない方が変化度も少ないと考えるからである。
すると「かつ重」「地鶏のそぼろ」・・・「幕の内弁当」の順になる。

部品は上より共通化率の高い順に並べると「おしんこ」「御飯」・・・の順になり、この時点で下記のことが判明する。

「おしんこと御飯」は「五目混ぜ御飯」を除くと、いずれの製品にも共通の部品である。

そこで「五目混ぜ御飯」は特注品と考え除外すると「おしんこと御飯」はマス・プロダクション可能な部品グループになる。

このように、左上隅に類似性の高い製品・部品が集まる。その結果、1点しか使われていない部品が17点(52%)、2点しか使われていない部品が6点・累計23点(70%)、3点しか使われていない部品が2点・累計25点(76%)になる。

反対に、4点以上使われている部品が8点(24%)あり、ここまでを類似が高いと判断して、第2次の類似性分析の対象と考え、再度並び替えてみる。

すると、「かつ重」と「地鶏のそぼろ」は2点構成部品で類似比率14%、「焼肉」「ステーキ」「デラックス」「シーフード」までは3点構成部品で類似比率43%になる。

ここでは、生産量がいずれの製品も同じとしているが、実務では生産量を加味した類似比率を算定する。

以上で、「1.御飯・おしんこ」「2.スパゲティ」「3.唐揚げ」「4.きんぴらごぼう・のり」「5.卵焼き」「6.煮物」の6つのセルを作ることにする。

その他は変化が多い部品に属し、ラインの最終工程でベテラン作業員が残りの部品を挿入することにする。

図表21の右下に、そのレイアウトを示す。

Step2:ライン編成

以上は定性的な工程・部品の類似性であるが、今度は時間値の類似性がないと同期生産は難しい。

各セルではできるだけタクトに合せてつくりたいが、ロット生産が効率的な部品とタクトに合せて生産可能なものがある。

たとえば「ご飯」は1人前ずつ生産するわけにはいかないが「おしんこ」は盛り付けるたびに一人前ずつ切ってもよい。

タクトにするかロットにするかは生産量の背景によって経済性を考えるのであって、必ずしもすべてタクト生産
を選択する必要はない。

ただし、タクトに合せて生産すると、冷めたものより温かい出来立てを食べたいという顧客ニーズに合わせた弁当で売り出すことも可能となる。

これが「カスタマイゼーション」である。

Step3:製品モジュール化

ネットワークラインが構築できると、製品の設計にも影響を与える。

図表22の改善前は一般的な弁当箱の様式で、1つの弁当箱の中がいくつかに仕切られ、そこに御飯から具までを配置するレイアウトである。

よく見ると「1.御飯・おしんこ」は初工程で大量生産していてすべての製品に付く共通ユニットである。

そこで改善後は「御飯とおしんこ」だけを別にする弁当箱を考案。その上に変化する具だけを載せる2段重ねの弁当箱とした。

ここまで、設計と生産が標準化されると、次のステップでは自動化を考えたい。

このように、生産モジュール化と設計モジュール化の相乗効果の出るマス・カスタム生産を実現したいものである。

<執筆者>
MEマネジメントサービス 橋本 賢一


関連セミナーのご案内

■モジュール生産方式構築セミナー
-マス・カスタマイゼーションの高付加価値・低コスト・カスタム化の実現-
日程:7月21日(火)~22日(水)
URL:http://school.jma.or.jp/search/detail.php?seminer_no=2298

■生産革新プロフェッショナルコース
-社内コンサルタントを育成する濃密な3か月セミナー-
日程:10月~12月 (全10日間)
URL:http://school.jma.or.jp/search/detail.php?seminer_no=879

■IE基礎テクニック習得コース
-IEを体系的に社内で学べるオンラインセミナー!-
現在キャンペーン価格にて配信中!!
http://www.jma-online.com/course/course01/

↓ IE用語集(随時更新中)
http://ie-hint.com/

〜10/16 page〜

ものづくり特別レポートの無料ダウンロードはこちら